不動産売却は何から始める?家を売る前にやることと査定から引き渡しまでの流れをわかりやすく解説

2026/07/09

不動産売却は何から始める?家を売る前にやることと査定から引き渡しまでの流れをわかりやすく解説

不動産を売りたいと思っても、最初に何を確認し、いつ不動産会社へ相談すればよいのか分かりにくいものです。

査定を急ぐ前に、売却の目的や希望時期、住宅ローンの残り、手元にある書類を整理しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

また、相場や売却にかかる費用を知らないまま進めると、想定より手元に残る金額が少なくなったり、希望する時期までに売れなかったりすることもあります。

この記事では、不動産売却は何から始めるべきかをはじめ、査定の受け方、不動産会社の選び方、売買契約から引き渡しまでの流れを分かりやすく紹介します。

今の段階で確認すべきことを順番に押さえ、納得できる売却につなげていきましょう。

不動産売却は何から始めるべき?

売る目的を決める

まずは、なぜ手放したいのかを整理し、売却後の予定まで考えておくことが大切です。

目的が明確になると、重視すべき価格や時期、不動産会社に相談する内容が定まり、途中で方針がぶれにくくなります。

例えば、住み替えでは新居の購入時期や資金計画を踏まえる必要がありますが、相続した空き家の処分では、維持費の負担や共有者との調整が優先事項になることがあります。

住宅ローンが残っている物件では、売却代金で残債を完済できるかどうかも早い段階で確認しなければなりません。

「できるだけ高く売りたい」「一定の時期までに現金化したい」など、希望する条件に優先順位を付けておくと、価格と売却期間のバランスを判断しやすくなります。

家族や共有名義人がいる場合は、それぞれの希望を事前に話し合い、売却に対する認識をそろえておきましょう。

すべての条件を最初から細かく決める必要はありませんが、目的と譲れない条件を整理しておけば、その後の査定や不動産会社選びを進めやすくなります。

売却の流れを知る

手続きを始める前に全体の順序を把握しておくと、次に何をすべきか分からなくなる事態を防げます。

一般的な仲介による売却は、事前準備、価格査定、不動産会社の選定、媒介契約、販売活動、購入希望者との交渉、売買契約、決済と引き渡しの順に進みます。

媒介契約とは、買い手を探す仲介業務を不動産会社へ依頼するための契約で、契約の種類によって依頼できる会社数や販売状況の報告頻度などが異なります。

買い手が見つかった後も、価格や引き渡し時期などの条件を調整し、合意した内容を売買契約書にまとめる必要があります。

売買契約を結んだ時点ですべてが完了するわけではなく、残代金の受け取りや住宅ローンの完済、抵当権の抹消、所有権移転登記などを経て引き渡しとなります。

物件の状態や市場の需要によっては、売り出してから成約までに時間がかかるケースもあるため、希望時期から逆算して準備することが重要です。

全体像を先に理解しておけば、不動産会社の説明も把握しやすくなり、余裕を持って各段階の判断を進められます。

必要書類を確認する

書類は一度にすべて集めようとせず、手元にあるものと不足しているものを分けて確認すると効率よく準備できます。

主な書類には、本人確認書類、登記識別情報または権利証、固定資産税の納税通知書、購入時の売買契約書、建築確認関係書類などがあります。

マンションでは管理規約や使用細則、管理費や修繕積立金が分かる資料、一戸建てや土地では測量図や境界確認書などを求められる場合があります。

すべての書類が査定の段階から必須になるとは限りませんが、物件の面積や権利関係、過去の取得費を確認できる資料がそろっていると、価格の検討や手続きが進みやすくなります。

登記上の住所や氏名が現在の内容と異なる場合は、売却に伴う所有権移転登記の前に変更登記が必要になることがあります。

相続した不動産では、名義が被相続人のままになっていないか、共有者が何人いるかについても登記事項証明書で確認しておきましょう。

権利証などが見当たらなくても直ちに売却できなくなるわけではありませんが、代替の手続きに時間や費用がかかる可能性があります。

不足書類や取得方法は物件ごとに異なるため、早めに不動産会社や司法書士へ確認し、売買契約や引き渡しの直前に慌てないよう準備を進めることが大切です。

売却前にやること

物件情報を整理する

査定を依頼する前に、所有している不動産の基本情報をまとめておくと、その後の相談がスムーズに進みます。

所在地や土地・建物の面積、築年数、間取り、所有者の名義などを、登記事項証明書や購入時の契約書で確認しましょう。

増改築やリフォーム、設備交換を行った履歴があれば、実施した時期や内容、費用が分かる資料も整理しておくと役立ちます。

雨漏りや設備の故障、境界が不明確な部分など、買主へ伝える必要がある情報も隠さずまとめておくことが大切です。

マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場の利用状況、管理規約なども確認しておきます。

情報を事前にそろえておけば、査定価格の根拠を理解しやすくなり、不動産会社との認識のずれも防ぎやすくなります。

住宅ローン残債を確認する

ローンの返済中であっても売却は可能ですが、引き渡しまでに残債を完済し、抵当権を抹消する必要があります。

抵当権とは、返済が滞った場合に金融機関が不動産を担保として処分できる権利のことで、設定されたままでは通常の売却が難しくなります。

現在の残債は、金融機関から届く返済予定表や残高証明書、インターネットバンキングなどで確認できます。

売却価格が残債を上回れば、受け取った代金からローンを返済できますが、仲介手数料や登記費用なども差し引いて考えなければなりません。

売却代金だけでは完済できない場合は、不足額を自己資金で補う方法や、住み替えローンを利用する方法などを検討します。

必要な資金を把握しないまま売り出すと、契約直前に売却できないと分かる可能性があるため、早めの確認が欠かせません。

売却条件を決める

売却活動を始める前に、価格や時期などの希望を整理し、条件ごとの優先順位を決めておきましょう。

すべての希望を満たす買主がすぐに見つかるとは限らず、状況に応じて一部の条件を調整する場面もあります。

あらかじめ譲れない点と柔軟に変更できる点を分けておけば、購入希望者との交渉にも落ち着いて対応できます。

希望価格

希望価格は、住宅ローンの残債や売却にかかる費用、売却後に必要な資金を踏まえて考えることが大切です。

必要な金額だけを基準に高く設定すると、周辺相場とかけ離れ、内覧の申し込みが集まりにくくなる場合があります。

一方で、早く売りたいからと安く設定しすぎると、本来得られたはずの売却代金を減らしてしまう可能性があります。

まずは周辺の成約事例や現在売り出されている類似物件を確認し、不動産会社の査定価格と照らし合わせましょう。

購入希望者から値下げ交渉を受けることも想定し、最低限確保したい金額と、売り出し価格を分けて考えておくと判断しやすくなります。

希望だけで決めるのではなく、市場の状況と資金計画の両方を確認し、根拠のある価格を設定することが重要です。

売却時期

いつまでに売りたいのかを決めると、不動産会社が販売計画を立てやすくなり、価格設定の方向性も明確になります。

住み替えや転勤、相続税の支払いなど期限がある場合は、売買契約だけでなく、引き渡しまでに必要な期間を考慮しなければなりません。

仲介による売却では、買主を探して条件を調整する時間が必要なため、希望日の直前に活動を始めても間に合わない可能性があります。

時間に余裕があれば価格を保ちながら買い手を探しやすくなりますが、期限を優先する場合は価格の見直しや買取も選択肢になります。

季節によって需要の傾向は変わるものの、立地や物件の種類による影響も大きいため、時期だけで売れやすさを判断するのは適切ではありません。

自身の予定を基準にしつつ、地域の市場動向を不動産会社へ確認し、無理のない販売期間を設定しましょう。

引き渡し時期

引き渡し日は、買主から残代金を受け取り、所有権を移転して物件を明け渡す重要なタイミングです。

居住中の住宅を売る場合は、新居への引っ越しや荷物の搬出、電気・ガス・水道などの手続きに必要な期間を見込む必要があります。

売買契約を結んだ後に引き渡し日を変更すると、買主の住宅ローンや引っ越し予定にも影響を与えるため、安易な変更は避けなければなりません。

住み替え先が未定の場合は、引き渡しまでの期間を長めに設定できるか、不動産会社を通じて早めに相談しておきましょう。

設備や残置物をどこまで撤去するか、鍵を何本渡すかといった準備事項も、契約内容に沿って確認します。

売主と買主の予定を調整し、確実に物件を明け渡せる日を設定することで、引き渡し時のトラブルを防ぎやすくなります。

不動産の売却相場を調べる

周辺相場を確認する

価格の目安を知るには、近隣で条件の似ている物件がどの程度で取引されているかを確認します。

マンションであれば同じ建物や周辺の類似物件、一戸建てや土地であれば所在地、面積、築年数、駅からの距離などが近い事例を探すと比較しやすくなります。

不動産情報サイトに掲載されている価格は売主が希望する売り出し価格であり、実際に成立した成約価格とは異なる点に注意が必要です。

売り出し価格だけを基準にすると、相場より高い物件に影響され、現実的な価格を見誤る可能性があります。

国や不動産関連機関が公開する取引価格の情報も活用し、複数の事例を見比べると地域の傾向を把握しやすくなります。

ただし、同じエリアでも日当たりや接道状況、建物の管理状態などによって価値は変わるため、相場はあくまで目安として捉えましょう。

自分でも基礎的な情報を調べておけば、不動産会社から提示された査定価格が妥当かどうかを判断しやすくなります。

査定価格の見方

提示された金額は売却を保証する価格ではなく、不動産会社が一定期間内に売れると予測した目安です。

査定には、物件情報や周辺の取引事例をもとに算出する机上査定と、担当者が現地を確認する訪問査定があります。

机上査定は短時間でおおよその金額を把握できる一方、室内の状態や日当たり、周辺環境などは細かく反映されません。

訪問査定では建物の劣化状況や設備、眺望、接道条件なども確認するため、売却を具体的に進める段階では、より実情に近い判断材料になります。

複数社へ依頼すると査定価格に差が出ることがありますが、最も高い金額を提示した会社が必ずしも適しているとは限りません。

周辺の成約事例、物件の強みや弱み、想定する販売期間など、金額を算出した根拠まで確認することが大切です。

納得できる説明があり、売却方法について具体的な提案を受けられるかどうかも含めて査定結果を見比べましょう。

売り出し価格の決め方

最初に市場へ提示する金額は、相場と売主の希望、販売期間を踏まえて設定します。

査定価格をそのまま採用する方法もありますが、住宅ローン残債や必要な手取り額、値下げ交渉の余地も考慮しなければなりません。

相場より大幅に高くすると問い合わせや内覧が集まりにくくなり、売れ残っている印象を与える可能性があります。

反対に安く設定しすぎると早期に成約しやすい一方、売却後に価格設定を後悔することも考えられます。

販売開始後の反響が少ない場合に、いつ、どの程度価格を見直すかまで不動産会社と話し合っておくと対応しやすくなります。

近隣物件との比較では、価格の総額だけでなく、マンションなら専有面積、一戸建てや土地なら面積や築年数などの条件もそろえて判断しましょう。

売主の希望だけに偏らず、買い手から見た魅力や市場の需要を踏まえ、納得できる根拠のある金額を決めることが重要です。

不動産会社を選ぶ

査定を依頼する

売却を具体的に進める段階では、物件の価値や販売方針を確認するために不動産会社へ査定を依頼します。

1社だけでは提示された価格や提案が妥当か判断しにくいため、複数社へ相談して比較する方法が一般的です。

最初は物件情報をもとに算出する机上査定を利用し、候補を絞った後に現地を確認する訪問査定を依頼すると効率よく進められます。

査定を依頼する際は、所在地や面積、築年数、間取り、住宅ローンの状況など、分かる範囲で正確に伝えることが大切です。

リフォーム履歴や日当たり、周辺環境といった強みだけでなく、雨漏りや設備の不具合なども共有すると、実情に近い提案を受けやすくなります。

依頼先を増やしすぎると連絡への対応が負担になるため、地域での実績や物件種別への理解を確認しながら、比較しやすい社数に絞りましょう。

査定は価格を知るだけの手続きではなく、信頼して売却を任せられる会社や担当者を見極める機会でもあります。

査定結果を見比べる

金額の高さだけで決めず、なぜその価格になるのか、どのように販売するのかまで確認する必要があります。

査定額には会社ごとの見方や販売方針が反映されるため、同じ物件でも提示内容に差が出ることは珍しくありません。

極端に高い査定額は魅力的に見えますが、根拠が弱いまま売り出すと、長期間売れずに値下げを重ねる可能性があります。

査定書の内容や担当者の説明を比較し、現実的な成約価格と売却までの期間を考えた提案かどうかを見極めましょう。

査定価格の根拠

提示された金額を確認するときは、周辺の成約事例や現在の売り出し状況がどのように反映されているかを見ます。

マンションでは同じ建物内の取引事例、一戸建てや土地では立地、面積、築年数、接道状況などが重要な比較材料になります。

室内の状態や日当たり、眺望、管理状況といった物件固有の条件が、価格にどの程度影響しているかも確認しましょう。

担当者が相場より高い金額を提示した場合は、その価格で売れると考える理由や、想定している買い手について質問することが大切です。

反対に査定額が低い場合も、短期間での成約を重視しているのか、修繕や立地に課題があるのかを聞くと判断材料が増えます。

具体的なデータと物件の特徴を結び付けて説明できる会社であれば、売り出し価格を決める際にも納得しやすくなります。

売却方法の提案

不動産会社ごとに得意な販売方法や買い手への働きかけが異なるため、どのような活動を行うかを確認します。

不動産情報サイトへの掲載だけでなく、自社の購入希望者への紹介、店頭での案内、チラシの配布など、具体的な手段を聞いておきましょう。

物件写真の撮影方法や紹介文の作成、内覧時の見せ方について提案があるかも、販売力を見極めるポイントになります。

一定期間で反響が少なかった場合に、価格や広告内容をどのように見直すかまで説明を受けると、その後の対応を想像しやすくなります。

仲介だけでなく買取を提案される場合は、早く現金化できるメリットと、仲介より価格が低くなりやすい点を比較する必要があります。

売主の目的や希望時期を理解したうえで、複数の選択肢を示してくれる会社を選ぶことが大切です。

担当者の対応

売却中は担当者と何度も連絡を取るため、知識だけでなく対応の丁寧さや相性も確認しておきましょう。

質問に対して分かりやすく答え、メリットだけでなく注意点も説明する担当者であれば、手続きを任せやすくなります。

返答の早さは重要ですが、急いで契約を迫ったり、高い査定額だけを強調したりする場合は慎重な判断が必要です。

地域の取引事例や買い手の傾向を把握しているか、物件の弱点に対する対策を提案できるかも確認します。

販売活動が始まった後の報告方法や連絡頻度について聞き、自分が希望する対応と合っているかを確かめましょう。

疑問を伝えやすく、売主の事情を踏まえて説明してくれる担当者を選ぶと、契約から引き渡しまで進めやすくなります。

媒介契約を選ぶ

仲介を依頼する会社が決まったら、販売活動の条件を定める媒介契約を結びます。

主な種類は専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3つで、複数社へ依頼できるか、自分で見つけた買主と契約できるかなどに違いがあります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、名称だけで選ばず、売却方針や希望する連絡頻度に合うかを確認しましょう。

専属専任媒介

専属専任媒介は、仲介を依頼できる不動産会社を1社に限定する契約です。

売主が自分で買主を見つけた場合でも、原則として契約した不動産会社を通して取引を進めます。

依頼を受けた会社には、指定流通機構への登録や、売主への定期的な活動報告に関する義務があります。

窓口が1社にまとまるため連絡や情報管理がしやすく、担当者と相談しながら販売方針を調整しやすい点が特徴です。

一方で、販売力や担当者の対応が成否に影響しやすいため、契約前に実績や提案内容を慎重に確認する必要があります。

手厚い報告を受けながら1社と密に連携したい場合に検討しやすい契約です。

専任媒介

専任媒介も依頼できる不動産会社は1社ですが、売主が自分で見つけた買主とは直接契約できます。

専属専任媒介と同様に、不動産会社には指定流通機構への登録や活動状況の報告に関する義務があります。

窓口を一本化しながら、親族や知人など自分で買い手を見つける可能性も残せる点が特徴です。

1社が販売活動を担当するため、広告の内容や内覧対応、価格の見直しについて相談しやすくなります。

ただし、依頼先の販売力が十分でなければ、買い手との接点が増えにくくなる可能性もあります。

信頼できる会社に任せつつ、自分で買主を探す選択肢も持ちたい場合に向いています。

一般媒介

一般媒介は、複数の不動産会社へ同時に仲介を依頼できる契約です。

各社がそれぞれ買主を探すため、物件情報を幅広く届けられる可能性があります。

売主が自分で見つけた買主と直接契約することもでき、売却活動の自由度が高い点が特徴です。

一方で、会社によっては専任の物件より販売活動の優先度が低くなる場合があり、情報や連絡の管理も複雑になりやすくなります。

各社へ同じ条件を正確に伝え、内覧予定や価格変更を共有しなければ、対応に食い違いが生じる可能性があります。

人気エリアの物件など、複数社の販売力を活用したい場合に検討しやすい契約です。

売却活動を進める

内覧準備

購入希望者に良い印象を持ってもらうには、室内を見学しやすい状態に整えておくことが大切です。

大がかりなリフォームを必ず行う必要はありませんが、清掃や整理整頓によって物件の状態を確認しやすくする必要があります。

玄関や水回り、窓周辺は印象に残りやすいため、汚れやにおいが気になる部分を優先して手入れしましょう。

荷物が多い場合は一時的に別の場所へ移し、部屋の広さや収納の使いやすさが伝わるようにします。

カーテンを開けて照明を点けると室内が明るく見えますが、傷や設備の不具合を隠すような対応は避けなければなりません。

居住中の物件では、家族の予定を確認しながら、内覧を受け入れやすい曜日や時間帯を不動産会社へ伝えておくと調整がスムーズです。

買い手が生活を具体的に想像できる環境を整えることで、物件の魅力を正しく伝えやすくなります。

購入希望者への対応

見学時には質問へ正確に答えられるよう、物件や周辺環境に関する情報を整理しておきましょう。

日当たりや交通の便、買い物環境などの利点だけでなく、設備の不具合や過去の修繕履歴についても事実に沿って伝えることが重要です。

売主が直接説明しすぎると購入希望者が気を遣う場合があるため、基本的な案内は不動産会社へ任せる方法もあります。

内覧中は質問を受けたときに補足できるようにしつつ、室内を落ち着いて確認できる距離を保つとよいでしょう。

居住理由や売却理由を聞かれた場合は、転居や住み替えなど差し支えない範囲で簡潔に答えます。

早く契約したい気持ちがあっても、その場で購入を強く促すと負担を与える可能性があるため、判断を急かさない姿勢が必要です。

誠実で落ち着いた対応を心掛けると、物件だけでなく取引全体への安心感にもつながります。

価格交渉への備え

購入の申し込みが入ると、売り出し価格より低い金額を提示されることがあります。

値下げの依頼を受けたときは、金額だけでなく、引き渡し時期や住宅ローンの利用状況なども含めて判断することが大切です。

事前に最低限確保したい売却額を決めておけば、急な申し出にも冷静に対応しやすくなります。

例えば、希望価格には届かなくても、早期の契約が可能で引き渡し条件も合う場合は、総合的に受け入れる価値があるかもしれません。

反対に、提示額が低く、ほかの問い合わせも続いている状況では、すぐに応じず販売活動を継続する選択もあります。

交渉内容は口頭だけで決めず、不動産会社を通じて購入申込書などで条件を確認し、認識の違いを防ぎましょう。

価格と条件の両方を比較し、売却の目的に合うかを基準に判断することが重要です。

売買契約から引き渡しまで

売買契約を結ぶ

購入希望者と価格や引き渡し時期などの条件がまとまったら、内容を確認したうえで契約を締結します。

契約前には、不動産会社から重要事項や取引条件について説明を受け、売買契約書の記載内容に相違がないか確認することが大切です。

売買価格、手付金、残代金の支払日、引き渡し日、設備の扱いなどは、後のトラブルにつながりやすいため慎重に見ておきましょう。

物件に不具合や修繕履歴がある場合は、買主へ伝える内容が契約書や関連書類に正しく反映されているかも確かめます。

契約時には買主から手付金を受け取るのが一般的ですが、金額や解除条件は契約内容によって異なります。

契約後の一方的な変更や解除には費用が発生する可能性があるため、疑問を残したまま署名や押印を進めるのは避けなければなりません。

不明点はその場で不動産会社へ確認し、条件を十分に理解してから契約を結ぶことが重要です。

引き渡し準備

契約を結んだ後は、決済日までに物件を買主へ渡せる状態へ整えていきます。

居住中であれば引っ越しを済ませ、契約で取り決めた範囲に従って家具や荷物、不要品を撤去します。

付帯設備表に記載したエアコンや給湯器などを残す場合は、故障の有無や動作状況も改めて確認しておきましょう。

住宅ローンが残っているときは、金融機関へ一括返済の申し込みを行い、抵当権抹消に必要な書類を準備してもらいます。

登記手続きは司法書士が担当することが多いため、登記識別情報や本人確認書類など、案内された必要書類を早めにそろえることが大切です。

土地や一戸建てでは、境界の確認や測量が必要になるケースもあるため、契約条件に含まれている作業を確認します。

鍵の本数や設備の説明書、管理規約などもまとめ、当日に不足がない状態にしておくと引き渡しを円滑に進められます。

売却代金の受け取り

決済日には、買主から残代金を受け取り、登記や鍵の受け渡しなどを同時に行います。

一般的には金融機関などへ関係者が集まり、入金の確認後に住宅ローンの完済や抵当権の抹消、所有権移転登記を進めます。

売却代金の全額がそのまま手元に残るわけではなく、ローン残債や仲介手数料、司法書士への報酬などが差し引かれる場合があります。

固定資産税や管理費、修繕積立金などは、引き渡し日を基準に売主と買主で清算するのが一般的です。

送金額や振込先、当日に支払う費用については、不動産会社から受け取る精算書で事前に確認しておきましょう。

入金が確認できたら鍵や関係書類を買主へ渡し、物件の引き渡しが完了します。

売却によって利益が出た場合は翌年に確定申告が必要になることがあるため、売買契約書や費用の領収書は処分せず保管しておくことが大切です。

不動産売却で損しないために

売却費用を確認する

手元に残る金額を把握するには、売却価格だけでなく、取引に伴って差し引かれる費用も事前に見積もる必要があります。

主な費用には、不動産会社へ支払う仲介手数料、売買契約書にかかる印紙税、抵当権抹消登記の費用などがあります。

住宅ローンを一括返済する場合は、金融機関によって手数料が発生することもあるため、返済手続きとあわせて確認しておきましょう。

土地の境界が明確でない場合には測量費、建物を解体して土地として売る場合には解体費が必要になるケースもあります。

仲介手数料には法令上の上限がありますが、低価格の空き家などでは特例が適用される場合があるため、媒介契約を結ぶ前に金額と計算方法の説明を受けることが大切です。

契約金額を記載した不動産売買契約書には原則として印紙税がかかり、一定の契約書には2027年3月31日まで軽減措置が設けられています。

査定価格から諸費用とローン残債を差し引いた手取り額を試算し、売却後の資金計画に無理がないか確認しましょう。

税金を確認する

購入時より高く売れたように見えても、売却価格の全額に税金がかかるわけではありません。

土地や建物の譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引き、適用できる特別控除があれば、さらに控除して計算します。

取得費には購入代金や購入時の手数料などが含まれますが、建物については所有期間に応じた減価償却費相当額を差し引く必要があります。

購入時の契約書や領収書を紛失して取得費を確認できないと、実際の購入額より低い金額で計算され、課税される所得が大きくなる可能性があります。

マイホームの売却では、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例などを利用できる場合があります。

特例には居住状況や売却相手などの要件があり、利益が控除額以内であっても、適用を受けるために確定申告が必要になることがあります。

税額は所有期間や物件の利用状況によって異なるため、売却前から契約書や費用の領収書を保管し、判断が難しい場合は税務署や税理士へ確認しましょう。

失敗しやすい点を避ける

慌てて売却を進めると、価格や契約条件を十分に比較できず、後から不利な内容に気づく可能性があります。

よくある失敗の一つは、高い査定額だけを理由に不動産会社を選び、根拠や販売方法を確認しないまま売り出すことです。

相場から離れた価格では問い合わせが集まりにくく、販売期間が長引いた結果、何度も値下げする状況になりかねません。

費用や税金を考慮せずに売却価格を決めると、住宅ローンを完済できない、住み替え資金が不足するといった問題も起こります。

物件の不具合を伝えずに契約すると、引き渡し後に買主から修補や代金の減額などを求められるおそれがあるため、把握している事実は不動産会社へ正確に共有しましょう。

売買契約書や付帯設備表は担当者へ任せきりにせず、価格、解除条件、引き渡す設備などが合意した内容になっているか自分でも確認することが大切です。

売却の目的と最低限守りたい条件を基準に、一つひとつの提案を比較しながら進めることで、後悔する可能性を抑えられます。

まとめ

不動産売却では、すぐに売り出すのではなく、売る目的や希望時期、住宅ローン残債、必要書類を整理することから始めます。

そのうえで周辺相場を調べ、複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格の根拠や販売方法、担当者の対応を比べることが大切です。

売却活動が始まった後も、内覧準備や価格交渉、契約内容、引き渡し条件を一つずつ確認すれば、取引中の行き違いを防ぎやすくなります。

仲介手数料や税金、住宅ローンの返済額を含めて手元に残る金額を試算しておくと、売却後の予定も立てやすくなるでしょう。

まずは物件の資料とローン残高を確認し、希望する価格や時期を整理したうえで、不動産会社への査定依頼へ進んでください。

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この記事を書いた事務所

みかづき不動産株式会社

みかづき不動産株式会社

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本條 真経

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