住宅ローンを払えない家を売るには?通常売却の条件と任意売却を選ぶタイミング

2026/08/06

住宅ローンを払えない家を売るには?通常売却の条件と任意売却を選ぶタイミング

住宅ローンの返済が難しくなり、家の売却を考え始めたら、最初に確かめたいのはローン残高と現在の売却価格です。

この2つを比べることで、通常売却で完済できるのか、自己資金が必要なのか、任意売却を検討する状況なのかが見えてきます。

すでに滞納していても売却できる可能性はありますが、対応が遅れるほど競売までの時間が短くなり、選べる方法も限られます。

この記事では、家を売却できる条件、確認すべき金額、売却方法の選び方、滞納後の流れを分かりやすく整理しました。

住宅ローンを払えない家でも売却できる条件

滞納前なら通常売却を進めやすい

返済が苦しくなっても、支払いが遅れる前であれば、一般的な不動産売却を選べる余地があります。

通常売却とは、不動産会社に仲介を依頼し、市場価格を踏まえて買主を探す方法です。

売買代金と自己資金でローン残高や売却費用を清算できれば、金融機関に抵当権の抹消手続きを依頼し、物件を引き渡せます。

滞納前は販売期間を確保しやすく、査定価格を比較したり、売出価格を調整したりできる点も大きな利点です。

反対に、返済を続けられない状態を放置すると、督促や一括返済の請求へ進み、売却方法や活動期間が限られていきます。

今月は払えても今後の返済が難しいと感じた段階で、金融機関と不動産会社の両方へ早めに相談することが重要です。

滞納後でも任意売却を目指せる

すでに返済が遅れている場合でも、直ちに家を売れなくなるわけではありません。

売却代金だけではローンを完済できないときは、債権者である金融機関などの同意を得て、任意売却を進められる可能性があります。

任意売却では、査定結果をもとに債権者が売出価格や抵当権の抹消に応じられるかを確認し、承諾後に販売や売買契約を進めます。

所有者の判断だけで価格を決められるわけではなく、債権者との連絡や必要書類の提出、販売状況の報告なども求められます。

また、競売の手続きが進むほど、買主を探して決済を終えるまでの時間が少なくなるため、いつでも任意売却へ切り替えられるとは限りません。

滞納期間や届いている通知を確認し、任意売却の実績がある不動産会社へ早い段階で相談しましょう。

抵当権を抹消できる見込みが必要になる

買主へ所有権を移すには、住宅ローンの担保として設定された抵当権を外せる状態にする必要があります。

抵当権が残ったままでは、返済が滞った際に物件が競売へかけられるリスクを買主が負うため、一般的な売買は成立しにくくなります。

ローン残高を売却代金などで完済できる場合は、決済日に返済と抵当権抹消の手続きを同時に行うのが通常です。

完済できない場合は、金融機関などの債権者から、残債がある状態で抵当権を抹消する承諾を得なければなりません。

実際の任意売却でも、買主が決まった後に債権者が抵当権抹消の可否を審査し、承諾を得てから売買契約へ進む流れが示されています。

査定価格だけで売却できると判断せず、ローン残高や仲介手数料、登記費用なども含めて、必要な金額を整理することが欠かせません。

売却代金で完済できない場合も対処できる

家の査定価格がローン残高を下回っていても、不足額を補う方法があれば通常売却を進められます。

例えば、貯金などの自己資金を充て、売買代金と合わせて残債を一括返済できれば、抵当権を抹消して引き渡すことが可能です。

自己資金で補えない場合には、金融機関の同意を得た任意売却を検討し、売却後に残った債務の返済方法について協議します。

任意売却をしても残債が自動的になくなるわけではなく、売却後も返済義務が残る点には注意が必要です。

残ったローンは、収入や家計の状況を踏まえ、債権者との合意によって分割返済などを目指すことになります。

不足額だけで判断せず、売却費用や引越し費用、その後の住居費まで含めた資金計画を立て、無理のない方法を選ぶことが大切です。

家を売る前に確認したい4つの金額

住宅ローン残高を正確に調べる

最初に確認したいのは、現時点で返済しなければならないローンの残りです。

毎月の返済予定表に記載されている金額は、確認時点の残高と一致しないことがあるため、金融機関から最新の残高証明書や返済予定表を取り寄せましょう。

繰り上げ返済をしている場合や、ボーナス返済を設定している場合は、当初の予定より残高が変わっている可能性があります。

売却時には元金だけでなく、決済日までに発生する利息や一括返済手数料が必要になるケースもあります。

金融機関へ問い合わせる際は、売却を検討していることを伝え、一括返済に必要な金額と手続きも確認しておくと安心です。

正確なローン残高が分かれば、通常売却が可能か、任意売却を検討すべきかを判断しやすくなります。

家の査定価格を把握する

ローン残高とあわせて、現在の家がいくらで売れそうかを確認する必要があります。

査定価格は、不動産会社が周辺の成約事例や土地の相場、建物の状態、築年数などを踏まえて算出する売却価格の目安です。

ただし、査定額で必ず売れるわけではなく、実際の売却価格は買主との交渉や市場の動きによって変わります。

一社だけの査定では価格が適正か判断しにくいため、複数の不動産会社へ依頼し、金額と査定理由を比較しましょう。

高い査定額だけで依頼先を選ぶと、売出価格が相場から外れ、売却までに時間がかかるおそれがあります。

早期売却が必要な状況では、査定額の高さよりも、現実的な成約価格と販売期間を確認することが大切です。

売却にかかる費用を計算する

売却代金をそのまま住宅ローンの返済に充てられるわけではありません。

不動産会社へ支払う仲介手数料のほか、抵当権抹消登記の費用、契約書にかかる印紙税などが発生します。

土地の境界が明確でない場合は測量費用、建物内に荷物が残っている場合は処分費用が必要になることもあります。

住み替えを伴うなら、引越し代や新居の初期費用も確保しなければなりません。

売却によって利益が出た場合は譲渡所得税がかかる可能性もありますが、一定の条件を満たせば特例を利用できるケースがあります。

必要な費用は物件や契約内容によって異なるため、不動産会社から概算を出してもらい、余裕を持って準備しましょう。

売却後に残る金額を確認する

最終的には、売却価格から諸費用と住宅ローン残高を差し引いた金額を計算します。

計算結果がプラスであれば、売却代金でローンを完済し、残った資金を引越しや新居の費用に充てられる可能性があります。

一方、マイナスになる場合は、売却時に不足額を自己資金で補うか、金融機関の同意を得て任意売却を進めるなどの対応が必要です。

例えば、売却価格が2,500万円でも、ローン残高と売却費用の合計が2,600万円なら、100万円前後の不足が生じます。

査定価格だけを見て完済できると考えず、実際に手元へ残る金額まで確認することが重要です。

複数の価格で収支を試算しておくと、値下げが必要になった場合にも落ち着いて売却方法を選べます。

住宅ローン残高に合った売却方法を選ぶ

売却方法を決める基準

どの方法が適しているかは、家の売却価格と住宅ローン残高の差によって大きく変わります。

まずは査定価格から仲介手数料や登記費用などを差し引き、返済に充てられる金額を計算しましょう。

その金額がローン残高を上回るか、不足するかを確認すると、通常売却を選べるのか、別の対応が必要なのかを整理できます。

査定価格は実際の成約価格とは限らないため、少し低い価格で売れた場合も想定しておくことが大切です。

アンダーローンなら通常売却を検討する

売却代金で住宅ローンと諸費用を支払える状態を、一般にアンダーローンといいます。

この場合は、通常の仲介売却によって買主を探し、決済日に売却代金からローンを完済する方法を検討できます。

完済と同時に抵当権を抹消できれば、買主へ問題なく所有権を移せます。

売却後に資金が残る場合は、引越し費用や新居の初期費用に充てることも可能です。

ただし、査定額と成約価格には差が出ることがあるため、ローン残高をわずかに上回る程度では安心できません。

値下げの可能性や売却費用も含め、余裕のある資金計画を立てておきましょう。

オーバーローンなら不足額への対応を考える

売却代金だけでは住宅ローンを完済できない状態は、オーバーローンと呼ばれます。

不足額を貯金などで補える場合は、通常売却を進められる可能性があります。

一方、自己資金を用意できないときは、金融機関の同意を得て任意売却を検討する必要があります。

任意売却では、売却後も残ったローンの返済義務が続くため、その後の返済方法について債権者と協議します。

住み替え費用まで使い切って不足額を補うと、新生活の負担が重くなるおそれもあります。

完済だけを優先せず、家計を立て直せるかという視点も含めて方法を選ぶことが重要です。

通常売却を選べる条件

通常売却を進めるには、決済時までに住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できる見込みが必要です。

売却代金だけで足りない場合でも、不足額を自己資金で支払えるなら、通常売却を選べることがあります。

また、競売の手続きが始まっておらず、販売に必要な期間を確保できることも重要な条件です。

返済を滞納していない段階であれば、価格や売却時期を比較的調整しやすく、買主を探す時間も取りやすくなります。

共有名義の家では、原則として名義人全員の同意が必要になるため、家族や元配偶者との協議も欠かせません。

ローン残高、査定価格、諸費用、所有者の同意を確認したうえで、無理のない販売計画を立てましょう。

任意売却を検討すべき条件

返済の継続が難しく、売却代金や自己資金でもローンを完済できない場合は、任意売却が選択肢になります。

すでに滞納が始まっている場合や、金融機関から督促状や一括返済に関する通知が届いている場合は、早めの対応が必要です。

任意売却には金融機関や保証会社などの同意が必要であり、所有者だけの判断で手続きを進めることはできません。

売却価格や販売期間にも一定の条件が設けられ、希望どおりの金額で売れるとは限らない点に注意しましょう。

競売の入札時期が近づくほど販売に使える時間は短くなり、買主が見つかっても決済が間に合わない可能性があります。

届いている書類や滞納期間を整理し、任意売却に詳しい不動産会社や専門家へ速やかに相談することが大切です。

自己資金で不足額を補えるか判断する

不足額を貯金で支払える場合でも、手元の資金をすべて使う判断は慎重に行う必要があります。

売却後には引越し代や賃貸住宅の敷金・礼金、生活費など、まとまった支出が発生する可能性があります。

例えば、不足額が100万円でも、新居の初期費用や当面の生活費を含めると、さらに資金が必要になることがあります。

借り入れによって不足額を補う方法も考えられますが、新たな返済が家計を圧迫しては生活の再建につながりません。

収入の見通しや毎月の支出を整理し、売却後も無理なく暮らせる金額を残せるか確認しましょう。

自己資金だけで解決しようとせず、金融機関や不動産会社と相談しながら、負担の少ない方法を選ぶことが重要です。

通常売却で住宅ローンを完済する流れ

金融機関へ早めに相談する

売却を決めたら、借入先へ連絡し、完済に必要な金額や手続きを確認します。

住宅ローンの残高だけでなく、決済日までの利息や繰り上げ返済にかかる手数料も含めて調べることが大切です。

金融機関によっては、全額返済の申し込み期限や必要書類、抵当権抹消書類の受け取り方法が定められています。

手続きが遅れると、予定していた引き渡し日に抵当権を抹消できないおそれがあるため、売買契約の締結前から確認しておくと安心です。

返済が難しくなっている場合は、その事情も伝え、返済条件の見直しや任意売却を含めた選択肢を相談しましょう。

具体的な申請方法は借入先によって異なるため、返済中の金融機関から案内を受けながら準備を進めます。

複数の不動産会社へ査定を依頼する

次に、家が現実的にいくらで売れそうかを把握するため、不動産会社へ査定を依頼します。

査定額は会社によって差が出るため、複数社に依頼し、金額だけでなく算定理由や販売方法も比べましょう。

周辺の成約事例、築年数、建物の状態、立地などを具体的に説明できる会社であれば、売却後の収支も想定しやすくなります。

住宅ローンの完済が必要であることや、売却したい時期も伝えると、条件に合った販売計画を提案してもらえます。

相場より高い査定額をそのまま信じると、買い手が見つからず、返済負担が続く可能性があります。

査定の根拠と担当者の対応を確認し、売却事情を共有しやすい不動産会社を選ぶことが重要です。

売れやすい売出価格を決める

販売を始める際は、ローン残高だけでなく、市場で受け入れられる価格を基準に設定します。

完済に必要な金額をそのまま売出価格にすると、周辺相場より高くなり、内覧や問い合わせが集まりにくくなることがあります。

査定価格や近隣物件の販売状況を確認し、値下げ交渉を受けても返済できる範囲を不動産会社と話し合いましょう。

返済を続けながら売る場合は、販売期間が長くなるほど毎月の負担も増えるため、価格と売却時期のバランスが欠かせません。

内覧への対応や室内の整理を早めに進めると、買主が物件を検討しやすくなります。

希望額だけにこだわらず、完済と生活の立て直しにつながる現実的な価格を選びましょう。

売却代金で住宅ローンを返済する

買主が決まり売買契約を結んだ後は、引き渡し日に売買代金を受け取って残債を返済します。

決済では、買主から支払われた代金のうち必要な金額を金融機関へ送金し、住宅ローンを全額清算するのが一般的です。

売却代金だけで不足する場合は、自己資金を同じ日に用意し、完済できる状態にしなければなりません。

仲介手数料や登記費用、固定資産税などの精算金も発生するため、事前に当日の入出金を一覧にしておくと混乱を防げます。

完済額は決済日によって利息が変わることがあるため、直前に金融機関へ再確認する必要があります。

資金が不足すると引き渡しを完了できないため、不動産会社や司法書士と連携して準備しましょう。

引き渡し日に抵当権を抹消する

ローンを完済しただけでは、登記簿に記録された抵当権は自動的に消えません。

金融機関から交付される解除証書や委任状などを使い、法務局で抵当権抹消登記を行う必要があります。

通常は決済日に司法書士が完済と必要書類を確認し、所有権移転登記とあわせて申請します。

売却代金の支払い、住宅ローンの返済、抵当権の抹消、鍵の引き渡しを同日に進めることで、買主へ担保のない状態で所有権を移せます。

金融機関から書類が届くまでに時間がかかる場合もあるため、受け取り時期と方法は早めに確認しておきましょう。

書類の不足や紛失があると手続きが遅れるため、司法書士へ事前に確認してもらうと安心です。

任意売却ならローンが残る家も売れる可能性がある

金融機関の同意が必要になる理由

売却代金で残債を完済できない場合、所有者の意思だけでは抵当権を外せません。

抵当権とは、返済が滞ったときに金融機関などが物件から債権を回収するための権利です。

任意売却では、この権利を残債がある状態で抹消してもらうため、債権者の承諾を得る必要があります。

売出価格や売却にかかる費用、代金の配分なども確認され、条件に合意したうえで販売や売買契約を進めます。

希望する価格や費用がすべて認められるとは限らないため、不動産会社を通して早めに調整することが大切です。

住宅金融支援機構の手続きでも、抵当権抹消の承諾後に買主との売買契約を締結する流れが示されています。

任意売却を始める時期

返済の継続が難しいと分かった時点で、金融機関と不動産会社へ相談することが重要です。

競売の手続きが進んでからでも間に合う場合はありますが、販売活動や債権者との交渉に使える時間は短くなります。

買主が見つかっても、売買契約や融資審査、決済までに一定の期間が必要です。

そのため、競売開始決定通知が届くまで待つのではなく、滞納前や督促を受けた段階から準備を始めましょう。

現在の滞納期間、ローン残高、届いている通知、家の査定価格を整理すると、手続きを相談しやすくなります。

返済が困難な場合には任意売却で残債務を圧縮する方法も案内されているため、借入先への早期連絡が欠かせません。

売却価格が決まる仕組み

任意売却の価格は、所有者や不動産会社だけで自由に決められるものではありません。

周辺の取引相場や物件の状態、不動産会社の査定結果などをもとに、債権者が売出価格を確認します。

大幅に安い価格では債権を十分に回収できないため、抵当権の抹消に同意してもらえない可能性があります。

反対に、相場より高く設定すると買い手が見つからず、競売までに売却を終えられないおそれがあります。

販売後も問い合わせや内覧の状況を報告し、必要に応じて債権者の承諾を得ながら価格を調整します。

市場価格を踏まえた現実的な設定にすることで、競売より高い金額で売れ、残債を減らせる可能性が高まります。

売却後に残ったローンを返済する方法

任意売却をしても、売却代金で返しきれなかった債務が自動的になくなるわけではありません。

残った金額は、収入や生活費、家族構成などを踏まえ、債権者と今後の返済計画を話し合います。

一括返済が難しい場合は、家計に無理のない範囲で分割返済を相談できることがあります。

ただし、毎月の返済額や期間が必ず希望どおりになるとは限らず、収支が分かる資料の提出を求められる場合もあります。

新居の家賃や生活費を考慮せずに返済額へ合意すると、再び支払いが難しくなるため注意が必要です。

住宅金融支援機構の案内でも、残債務の返済義務は続き、売却後の返済計画は個々の状況を踏まえて相談するとされています。

連帯保証人に及ぶ影響

住宅ローンに連帯保証人がいる場合は、任意売却について事前に事情を共有する必要があります。

売却後に債務が残ると、主な債務者だけでなく、連帯保証人にも返済を求められる可能性があるためです。

連帯保証人は、原則として債務者と同じ範囲の返済責任を負っており、先に本人へ請求するよう求めることも困難です。

債権者との協議や必要書類への署名などで協力を求められる場合もあり、連絡を避けたまま手続きを進めるのは適切ではありません。

返済への影響や信用情報の扱いは契約内容と状況によって異なるため、金融機関へ具体的に確認しましょう。

連帯保証人を含めて残債の返済義務が残る場合があることを理解し、必要に応じて弁護士などへ相談することが大切です。

住宅ローンを滞納してから競売に至るまでの流れ

滞納直後に金融機関から連絡が届く

返済日に引き落としができないと、金融機関から電話や書面で入金を求められるのが一般的です。

一時的な残高不足であれば、指定された期日までに支払うことで、通常の返済へ戻れる場合があります。

支払いが難しいときは連絡を避けず、収入が減った理由や今後の見通しを伝えることが大切です。

早い段階で相談すれば、返済期間の延長や返済額の一時的な減額などを検討してもらえる可能性があります。

連絡を放置すると督促状や催告書が届き、遅延損害金が加わるなど、負担が増えるおそれがあります。

滞納した回数や届いた書類を整理し、返済の継続と家の売却を並行して検討しましょう。

期限の利益を失うと一括返済を求められる

滞納が続くと、契約に基づいて残っている住宅ローンの全額を請求されることがあります。

毎月の分割払いを続けられる権利を「期限の利益」といい、これを失うと従来の返済方法は利用できません。

請求額にはローン残高だけでなく、利息や遅延損害金などが含まれる場合があります。

まとまった資金を用意することは難しいため、この段階では通常の返済へ戻すよりも、任意売却や債務整理を検討するケースが増えます。

ただし、期限の利益を失う時期や条件は契約内容、滞納状況、金融機関の対応によって異なります。

通知書に記載された期限や請求内容を確認し、金融機関と専門家へ速やかに相談する必要があります。

保証会社による代位弁済が行われる

保証会社を利用している住宅ローンでは、返済が続けられなくなると、保証会社が金融機関へ残債を支払う場合があります。

この手続きを代位弁済といいますが、借りた人の返済義務がなくなるわけではありません。

支払先が金融機関から保証会社へ移り、保証会社から残債の一括返済を求められることになります。

代位弁済後は、任意売却の条件や売却代金の配分について、保証会社などの債権者と協議するのが一般的です。

信用情報にも影響する可能性があり、新たなローンやクレジットカードの審査が難しくなることがあります。

通知が届いたら内容を放置せず、家を売る意思があることを伝え、任意売却に向けた手続きを確認しましょう。

裁判所から競売開始決定通知が届く

任意の返済や売却が進まない場合、債権者が裁判所へ不動産競売を申し立てることがあります。

申立てが認められると競売開始決定が出され、対象となる家には差押えの登記が行われます。

その後は裁判所による物件調査や評価が進み、入札期間や開札日などの売却日程が決められます。

競売は所有者の希望にかかわらず進み、落札者が代金を納付すると、原則として所有権が移転します。

市場価格より低い金額で売却されることもあり、売却代金で債務を返しきれなければ残債が続く可能性があります。

通知が届いた段階では時間に限りがあるため、入札日程を確認し、早急に今後の対応を決める必要があります。

入札前なら任意売却を目指せる可能性がある

競売の手続きが始まった後でも、売却を完了できる時間が残っていれば、任意売却を進められる場合があります。

ただし、買主を見つけるだけでは足りず、債権者の同意を得て決済を終え、競売の申立てを取り下げてもらう必要があります。

入札開始が近づくほど販売期間が短くなり、買主の住宅ローン審査や契約手続きが間に合わないおそれも高まります。

任意売却は通常の不動産取引として売るため、一般的には競売より高い価格で売却でき、残債を減らせることが期待されています。

一方で、必ず競売を止められるわけではなく、債権者が価格や条件に同意しないケースもあります。

競売開始決定通知が届いたら、不動産会社へ査定を依頼するとともに、債権者へ任意売却の意思を早急に伝えましょう。

家を売る前に検討したい返済負担の減らし方

返済期間を延ばして毎月の負担を減らす

収入の減少が一時的で、今後も返済を続けられる見込みがあるなら、借入先へ返済期間の延長を相談する方法があります。

完済までの期間を長くすると、元金をより多くの回数に分けて返すため、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。

ただし、返済期間が延びるほど利息の支払いが続き、最終的な総返済額は増えやすくなります。

年齢や残りの返済期間、収入の見通しによっては、希望する内容が認められない場合もあります。

返済方法の変更には審査があるため、滞納する前に家計の状況や今後の収入を整理して相談しましょう。

毎月の負担だけでなく、変更後も完済まで支払いを続けられるかを確認することが大切です。

一定期間だけ返済額を減らす

休職や売上の減少などから収入が回復する見込みがある場合は、一定期間だけ返済額を軽くする方法も考えられます。

金融機関によっては、元金の返済を抑えて利息を中心に支払うなど、事情に応じた返済条件の変更に対応しています。

当面の支出を減らせる一方で、減額した分が免除されるわけではなく、変更期間の終了後に返済額が増える可能性があります。

収入が回復する時期を楽観的に見積もると、将来の負担に耐えられなくなるおそれがあるため注意が必要です。

給与明細や事業の収支、毎月の生活費を用意し、減額後と通常返済へ戻った後の両方を試算しましょう。

制度の内容や利用条件は借入先ごとに異なるため、返済が遅れる前の相談が欠かせません。

住宅ローン特則で自宅を残す

住宅ローン以外の借り入れも重く、家計全体の立て直しが必要な場合は、個人再生の住宅資金特別条項を利用できることがあります。

住宅ローン特則とも呼ばれ、法律上の要件を満たせば、自宅を手放さずに他の債務を整理できる制度です。

ただし、住宅ローンそのものが免除される制度ではなく、原則として返済を続けなければなりません。

本人が所有して居住する家であることや、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことなど、複数の条件があります。

滞納分や遅延損害金への対応が必要になる場合もあり、利用すれば必ず自宅を残せるとは限りません。

手続きには専門的な判断が必要なため、売却を決める前に個人再生を扱う弁護士へ相談しましょう。

団体信用生命保険の対象になるか確認する

病気やケガが返済困難の原因になっている場合は、加入している団体信用生命保険の保障内容を確認してください。

団体信用生命保険は、契約者が死亡した場合や所定の高度障害状態などに該当した場合に、保険金で残債を返済する仕組みです。

三大疾病や介護状態、就業不能などを保障する特約が付いている住宅ローンもありますが、対象となる状態や期間は契約によって異なります。

病名だけで保険金が支払われるとは限らず、診断日や症状、就業できない期間などの要件を満たす必要があります。

保険証券や契約時の書類を確認し、分からない場合は金融機関や保険会社へ問い合わせましょう。

保障の対象となる可能性があるときは、家の売却を進める前に請求手続きと必要書類を確認することが重要です。

利用できる公的支援を調べる

収入の減少によって生活費まで不足している場合は、自治体の自立相談支援機関などへ相談する方法があります。

相談窓口では、家計の見直しや就労支援、住まいの確保など、現在の事情に合った支援策を一緒に整理してもらえます。

生活福祉資金の貸付制度などを利用できる場合もありますが、住宅ローンを直接返済するために使えるとは限りません。

住居確保給付金も主に賃貸住宅の家賃を支援する制度であり、持ち家のローン返済を補う制度ではない点に注意が必要です。

制度ごとに収入や資産、就労状況などの要件があり、申請しても利用できない場合があります。

支払いが滞る前に市区町村へ連絡し、対象となる制度と申請に必要な書類を確認しましょう。

家を売った後も住み続ける方法

リースバックで住み続ける仕組み

引越しを避けたい場合は、自宅を売った後に賃貸住宅として借り直す方法があります。

この仕組みをリースバックといい、売買契約と賃貸借契約を結び、売却代金を受け取った後は毎月家賃を支払います。

住み慣れた環境を変えずに資金を確保できるため、子どもの通学や家族の生活への影響を抑えやすい点が特徴です。

売却代金で住宅ローンを完済できないときは、通常の売却と同じく、自己資金で不足額を補うか金融機関の同意を得る必要があります。

家の所有権は買主へ移るため、売却後は設備の変更や将来の住み方を自由に決められない場合があります。

資金を得られる点だけで判断せず、売却価格や家賃、契約期間を含めて今後の収支を確認しましょう。

売却価格が低くなりやすい理由

一般的な仲介売却と比べると、リースバックの買取価格は市場価格を下回ることがあります。

買主は購入後すぐに物件を自由に利用できず、家賃の滞納や将来の修繕、再販売などのリスクも負うためです。

住み続けられるという条件が価格に反映されるため、通常売却と同じ金額で売れるとは限りません。

提示額が住宅ローン残高より低ければ、差額を用意できず、抵当権を抹消できない可能性もあります。

一社の提示だけでは価格の妥当性を判断しにくいため、通常売却の査定額や複数のリースバック事業者の条件を比較しましょう。

売却を急かされてもその場で契約せず、価格の根拠と手元に残る金額を確認することが重要です。

無理なく払える家賃を見極める

売却後は住宅ローンの代わりに家賃が発生するため、毎月の支払いが本当に軽くなるかを計算する必要があります。

家賃だけでなく、管理費や共益費、契約更新に伴う費用なども確認し、生活費を含めた収支を作りましょう。

売却代金を家賃の支払いに充てる予定でも、長く住むほど資金は減っていきます。

収入がさらに減った場合や医療費が増えた場合も想定し、貯金を取り崩さずに支払える金額かを確かめることが大切です。

家賃を滞納すると、契約の解除や退去を求められるおそれがあり、住み続ける目的を果たせなくなります。

将来の支出まで含めた返済計画を立て、賃貸住宅へ住み替える場合の費用とも比較しましょう。

賃貸借契約の期間を確認する

契約書には、いつまで住めるのか、期間満了後に更新できるのかが記載されています。

普通借家契約は正当な理由がなければ貸主から更新を拒みにくい一方、定期借家契約は原則として期間満了で終了します。

定期借家契約でも再契約できる場合はありますが、貸主の同意が必要であり、必ず住み続けられるとは限りません。

契約期間が短いと、想定より早く転居先を探さなければならない可能性があります。

家賃を変更できる条件や修繕費の負担、途中解約の手続きについても、契約前に確認しておきましょう。

「長く住める」という口頭説明だけに頼らず、賃貸借契約書へ記載されている内容を基準に判断することが重要です。

買い戻しの条件を確認する

将来の収入が回復したときに、自宅を買い戻せる契約が用意されている場合があります。

ただし、買い戻す金額は売却時の価格より高く設定されることがあり、税金や登記費用なども別に必要です。

買い戻せる期間や手続き、家賃の滞納があった場合の扱いも、事業者ごとに異なります。

再購入には住宅ローンの審査が必要になるケースもあり、収入や信用情報の状況によっては資金を用意できない可能性があります。

口頭で買い戻せると説明されても、価格や期限が契約書に明記されていなければ、希望どおりに実現できないおそれがあります。

買い戻しを前提とする場合は、将来必要となる総額を試算し、実行できる条件かを契約前に確かめましょう。

住宅ローンを払えないと気づいた日に行う5つの対応

毎月の収支を整理する

まずは家計の全体像を確認し、毎月いくら不足しているのかを把握しましょう。

給与や事業収入などの入金額と、住宅ローン、生活費、保険料、借り入れの返済額を一覧にすると、負担の大きい項目が見えやすくなります。

一時的な支出の増加なのか、収入減少によって今後も赤字が続くのかを分けて考えることも重要です。

削減できる支出があっても、食費や医療費まで無理に抑えると生活に支障が出るため、継続できる範囲で見直してください。

通帳やクレジットカードの明細を準備しておくと、金融機関へ返済条件の変更を相談する際にも状況を説明しやすくなります。

現在の不足額と今後の収入見通しを整理し、返済を続けるか売却へ動くかを検討する材料にしましょう。

滞納している期間を確認する

すでに返済が遅れている場合は、いつから何回分を支払えていないかを確かめます。

滞納期間によって、金融機関からの督促段階なのか、一括返済や保証会社への移行が進んでいるのかが異なるためです。

通帳の引き落とし履歴や返済予定表、金融機関から届いた通知書を確認し、支払期限と請求額を整理しましょう。

通知を開封せずに放置すると、手続きの期限や相談できる機会を逃すおそれがあります。

書面の内容が分からない場合は、記載された連絡先へ問い合わせ、現在の状況と次に行われる手続きを確認してください。

滞納が長くなるほど選べる対応は限られやすいため、期間を正確に把握したうえで早めに動くことが大切です。

住宅ローン残高を調べる

家を売る必要があるか判断するには、返済しなければならない金額を正確に知る必要があります。

返済予定表やインターネットバンキングで確認できる場合もありますが、売却を想定するなら金融機関へ最新の残高を問い合わせましょう。

元金の残りだけでなく、決済予定日までの利息や遅延損害金、一括返済手数料が加わるケースもあります。

滞納している場合は、通常の残高表示と実際の請求額が異なる可能性があるため、自己判断は避けてください。

借入先が複数ある場合や、住宅ローン以外の抵当権が付いている場合は、それぞれの債務も確認します。

正確な金額が分かれば、売却代金で完済できるか、不足額への対応が必要かを具体的に検討できます。

家の査定を依頼する

次に、自宅が現在の市場でどの程度の価格で売れそうかを不動産会社へ確認します。

机上査定では周辺相場をもとに概算を把握でき、訪問査定では建物の状態や日当たり、室内の管理状況まで含めた価格を確認できます。

一社だけでは査定額が適正か判断しにくいため、可能であれば複数社へ依頼し、金額と根拠を比べましょう。

住宅ローンの返済が難しいことや滞納の有無を伝えると、通常売却と任意売却のどちらが現実的か相談しやすくなります。

ただし、高い査定額を提示した会社へすぐ依頼するのではなく、成約の見込みや販売期間も確認することが重要です。

査定価格から売却費用を差し引き、住宅ローン残高と比較すると、今後の選択肢を整理できます。

金融機関へ相談する

返済が難しいと分かったら、支払いが遅れる前であっても借入先へ連絡しましょう。

収入が減った事情や回復の見通し、家計の状況を伝えることで、返済期間の延長や一定期間の返済額変更を検討してもらえる場合があります。

すでに滞納している場合も、連絡を避けず、支払える金額や売却を検討していることを率直に伝えることが大切です。

金融機関への相談だけで返済条件が必ず変わるわけではありませんが、放置するよりも対応方法を探しやすくなります。

連絡する際は、住宅ローン残高、毎月の収支、滞納期間、家の査定結果を手元に用意しておくと話が進みやすくなります。

返済の継続が難しい場合は、任意売却や専門家への相談も含め、次に取るべき行動を確認しましょう。

住宅ローンの悩みを相談できる窓口

金融機関へ相談すべき内容

返済が難しくなったときは、まず住宅ローンを借りている金融機関へ現在の事情を伝えます。

収入が減った理由や今後の回復見込み、滞納の有無、毎月支払える金額を整理しておくと、具体的な相談につながります。

状況によっては、返済期間の延長や一定期間の返済額変更などを検討してもらえる場合があります。

売却を考えているなら、一括返済に必要な金額や抵当権抹消の手続き、任意売却への同意を得る方法も確認しましょう。

返済条件の変更や任意売却が必ず認められるわけではありませんが、連絡を避けると選択肢が限られやすくなります。

支払いが遅れる前の段階でも相談できるため、返済の継続が難しいと感じたら早めに連絡することが大切です。

不動産会社を選ぶ基準

家を売る場合は、住宅ローンが残る物件の売却経験があり、資金計画まで説明できる不動産会社を選びましょう。

査定額の高さだけでなく、周辺の成約事例や想定される販売期間、売却費用の根拠を具体的に示せるかが重要です。

オーバーローンや滞納がある場合は、任意売却の実績や債権者との調整経験についても確認してください。

任意売却では期限を意識しながら販売を進める必要があるため、連絡が早く、手続きの進み具合を分かりやすく報告する担当者が適しています。

「必ず高く売れる」「競売を確実に止められる」などと断定する会社には注意が必要です。

複数社の査定内容や対応を比較し、不利な点や売却後の残債についても率直に説明してくれる会社へ依頼しましょう。

弁護士へ相談すべき状況

住宅ローン以外の借り入れも返せず、家計全体の立て直しが難しい場合は、弁護士への相談を検討します。

個人再生や自己破産などの債務整理を含め、収入や資産、残債に応じた法的な対応を確認できるためです。

競売開始決定通知が届いた場合や、連帯保証人との調整が必要な場合、離婚に伴って住宅ローンや名義が複雑になっている場合も相談が役立ちます。

住宅ローン特則を利用して自宅を残せるかどうかも、法律上の要件を踏まえて判断してもらえます。

費用が心配な場合は、一定の収入や資産の基準を満たせば、法テラスの無料法律相談や費用立替制度を利用できる可能性があります。

売却だけでは解決が難しいと感じた段階で相談し、競売や差押えが進む前に対応を整理しましょう。

司法書士へ相談すべき状況

抵当権抹消や所有権移転など、不動産登記の手続きを確認したい場合は司法書士が相談先になります。

通常売却では、決済日に住宅ローンの完済を確認し、抵当権抹消登記と買主への所有権移転登記を進めるのが一般的です。

相続した家や共有名義の物件では、売却前に相続登記や持分の確認が必要になることもあります。

認定司法書士は一定の範囲で債務整理の相談や手続きにも対応しますが、扱える内容や金額には制限があります。

複雑な訴訟や個人再生、自己破産が関係する場合は、弁護士への相談が適しているケースもあります。

どちらへ相談すべきか分からない場合は、全国の司法書士総合相談センターや法テラスで適切な窓口を確認できます。

自治体の相談窓口を利用する方法

住宅ローンだけでなく、生活費や仕事、住み替えにも不安がある場合は、市区町村の相談窓口を利用できます。

生活困窮者自立支援制度の窓口では、家計の改善や就労、住まいに関する悩みをまとめて相談できます。

相談内容に応じて、社会福祉協議会やハローワーク、法律相談などの支援先につないでもらえることもあります。

利用できる制度は収入や資産、世帯の状況によって異なり、住宅ローンの返済へ直接充てられるとは限りません。

相談時には、収入が分かる書類、住宅ローンの返済予定表、督促状、毎月の支出をまとめた資料を持参すると状況を説明しやすくなります。

住んでいる自治体の担当窓口が分からない場合は、市区町村役場へ連絡し、生活や家計に関する相談先を案内してもらいましょう。

まとめ

住宅ローンの返済が難しくなっても、すぐに家を失うと決まったわけではありません。

ローン残高や査定価格、滞納の状況を確認すれば、通常売却や任意売却、返済条件の見直しなど、今の状況に合う方法を探せます。

ただし、時間がたつほど選択肢は少なくなり、競売を避けるための余裕も失われていきます。

まずは家計とローンの状況を整理し、金融機関や不動産会社へ相談するところから始めてください。

一人で結論を出そうとせず、必要に応じて弁護士や司法書士の力を借りることも大切です。

早めに動けば、返済の負担を抑えながら、売却後の暮らしまで見据えた選択がしやすくなります。

これからの生活を立て直すためにも、今できる一歩を先延ばしにせず進めていきましょう。

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この記事を書いた事務所

みかづき不動産株式会社

みかづき不動産株式会社

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本條 真経

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